赤木リツコ博士の作り方。
パテ盛り
髪の毛の気泡と、手首の親指と人差し指の間のパーティングラインが大きく凹んでいいたのでバテで埋めてやります。
気泡は表面には小さくても空洞の大部分が内部に埋まっている事が殆どなので、そのままパテを盛り付けても埋まってくれません。
そこでデザインナイフや彫刻刀、リューター等で気泡を掘り起こして空洞部分を全部露出させてから埋めてやります。
結果的に気泡部分の表面積が広がってしまうのですが、これは止む無しと言うところでしょう。
パーティングラインの凹みは整形時に型同士を押し付けた際、
圧力でパーティングラインになる型のエッジか素材側に入り込んでしまった為に起こる現象で、
どんな綺麗なキットでも多かれ少なかれ発生する宿命的な物です。
削り込んで処理できる事もありますが、
削ると形が大きく変わってしまう場合はパテ等の充填材で埋めてやります。
私は充填作業には瞬着か、ワークのスベスベ(白いポリパテ)を常用していて、
今回は白いポリパテを使います。白地に白のパテなので
何度か撮影を試みたのですが、
写真ではちっとも分らないので画像は割愛します。
パテで気泡や凹み部分を埋める時のポイントは何回かに分けて埋めると言う事です。
一度に大量に盛ると削るのが大変になるので最初は埋める部分に対して、
やや不足気味にパテを充填して硬化させた後、紙やすりで余分なパテを削り落とし、再度凹んだ所やポリパテで出来た気泡に充填してはサンディングを何度か繰り返します。
ポリバテは気泡が発生しやすいので、一度でパテ埋めが終る事は殆ど無いので、
初めから数回に分けて行うつもりで少しづつ埋めた方が結果的に早く仕上がります。
ポリパテとキャスト素材ではポリパテの方が削れ易いのでパテとキャスト時の境目の部分は素材がわにパテを薄く延ばしてなだらかにしてから慎重に軽くサンディングしてやると段差が出来難くなります。それでも多少の段差は出てしまうので、パテを盛った部分は下地塗装を厚めに行い、塗装を研き込む事で完全に段差を消してやります。
本当に細かい気泡は下地塗装の後にポリバテやラッカーパテを薄く塗って研いた方が早く綺麗に仕上がる場合
が多いみたいです。これは下地塗装が気泡を埋めるきっかけを作ってくれるので埋めやすくなるのだと思います。
シンナー洗浄
塗装前の最後の工程が洗浄です。
整形時に使用される離型剤や、作業中に手や工具から付着し油分を落す(脱脂する)為に行います。この作業を怠ると、塗料を弾いたり、マスキングした際に塗料が剥れたりします。
パテの食い付きを良くする為に作業手順の一番最初に行う人も多いのですが、
作業中に手から付着する油分も無視出来ないので、塗装前の脱脂は必須です。
方法は色々有るみたいですが、私は、大き目のフタの出来る缶に移したラッカー薄め液に数十秒漬けてか
ら、歯ブラシで磨いてティッシュやキッチンタオル、ペーパーウエスでシンナーを拭き取っています。
この方法が最も確実で、手っ取り早いと考えています。
良く組立て説明書等に「中性洗剤で洗う」と書いてありますが、ラモデルの場合は有効な手段かも知れませんが、中性洗剤ではレジンキャストの離型剤を十分に分解出来ないので、余り意味が有りません。
ウレタン樹脂のガレージキットの場合は長時間漬け置きしない限りはシンナーで洗浄して全く問題ありませんが、
中には整形時に素材の混合比や混合時にかくはんが足りなくて短時間で軟化するする物も有るみたいです。
その様な場合は洗浄後、暫く乾燥させてンナーを揮発させてやれば硬化するのでご心配なく。
この時に塗装用の支持棒を取り付けておくとシンナーに手を漬けずに済みます。
この後は油分が表面に付着するのを防ぐ為にパーツを触る前には必ず手を洗う事を心掛けましょう。もちろん、出来るだけパーツに触れい事も重要です。
ラッカー薄め液を小分けした缶と、歯ブラシ。
塗装
洗浄後、シンナーが完全に揮発したら塗装に入ります。
塗装は基本的に下地塗装、下塗り、彩色(或いは下塗り、中塗り、上塗り)の3つに分類されます。
先ず、下地塗装とは素材と塗装を取り持つ為の物で、プライマーやサーフェイサーがこれに当ります。
次に下塗り(中塗り)とは塗りたい色の発色をよくする為に行う物で、肌色の前に白を吹いたりする物を指します。
下地塗装に使う塗料が明るい場合や、彩色に施す色が暗い場合等は必要有りません。
彩色(上塗り)は説明不要でしょう。
塗装前に接着面をマスキングしておくと後々楽です。
塗装のどの段階にも言える事ですが、塗装の前には表面にホコリが付着していないか確認しましょう。
乾燥する季節は静電気で塗装中にホコリが付着し易いので、塗装直前に静電気除去機能の有るクロスでパーツを拭いておくか、
帯電防止剤を吹き付けておきましょう。どちらも手に入らない場合、静電気の原因の化学繊維の衣類は身に付けず、こまめに対人アースを行いましょう。
塗装中にホコリが付着してしまったらその時点で塗装を中断して、乾燥するまで最低1時間程度待ってから、手に入る範囲で一番目の細かいスポンジやすりのMICROFINEでホコリの付着した部分を軽く磨いてやり、ホコリが取れたら再び塗装してやります。ホコリが塗装のし下に埋まっていた場合、諦めて、下塗りの段階で目立たなくしてやります。
下地塗装の前にはプライマー(塗料接着剤、又は塗料定着剤)を塗ってからサーフェイサーを塗ります。
サーフェイサーにプライマー成分が入っている物も有るので、必ずしもプライマーの塗布は必要ないのですが、
プライマー入りのサーフェイサーはプライマーよりも接着力が劣るので、
プライマーを塗っておくに越した事は有りません。
サーフェイサーを使わないサフレス塗装を行う場合、下地の塗装となるラッカー塗料と、キャスト素材のウレタン樹脂との相性が良くないので、中を取り持つプライマーは必須となります。
私かサフレス塗装を行う時は、プライマーの後にサーフェイサーに代わる下地材としてラッカー塗料のクリアーを噴き付けます。
一気に大量に吹き付けて厚い塗膜を作るとホコリが付着した場合、塗料に埋まってしまい、研いても落とせなくなるので、3回程度に別けて塗装つもりで、全体に薄く吹き付けて行きます。塗膜は厚くなればなるほど乾燥に時間がかかるので、数回に分けて塗った方が結果的に早く仕上がります。
肌色以外の部分はサフレスの必要性は全く無いので、ホワイトサーフェイサーを使うより、クリアーを吹いて白を吹き付けた方が早くて安い場合が有るので、今回は他のパーツもクリアーで下地塗装を行います。
塗装が乾燥したら、多少ざらついている所があると思うので、
1,500〜2,000番くらいの耐水ペーパーか、同等のスポンジやすりのULTRAFINEやMICROFINEでザラ付いているる所だけではなく、全体をに満遍なく研いてやります。肌色とストッキングのパーツは特に念入りに磨きます。ただ、鏡面仕上げにするとエアーブラシで噴きつけた塗料が定着せずに流れてしまう事が有るので、程々にしておきます。
下地塗装を終えた時点で見つかった気泡や凹は白いラッカーパテで埋めてやります。混ぜない以外はポリバテと扱い方は代わらないのですが、シンナー成分の揮発によって硬化(乾燥)させるため、一度に大量に盛ると乾くまでに非常に時間がかかるので、可能な限り薄く伸ばして使います。硬化後は1000番の耐水ペーパーで研いて、下地が出てしまうくらい研いた場合は又下地塗装を行い。
塗膜の表面を研いただけの場合はペーパーの番手を1,500、2,000番と上げて研いて行きます。
この後にいよいよ色を塗る作業に入る訳ですが、
冷静に考えた所、塗装の合間に撮影は無理なのと、
文章だけなら何時ものコンテンツと内容が重複する為、
今回はここまでにしたいと思います。
左から、プライマー、下地用のクリアーのラッカースプレー各種、白サフ。
戻る INDEX