1/6 ヨーコ (天元突破グレンラガン)

 原型製作 近藤貴之

 キット販売 G-DOME

 パーツ数 35



 天元突破グレンラガンから、ヨーコです。
 第一話から登場するヒロインですが、主人公であるシモンとの関係は、お姉さん的存在で終始していました。
 露出の多い衣装から色っぽいキャラクターに思いがちですが、実際は快活な女の子と言った感じでした。
 生身で大型ライフルを手に、敵のロボット兵器、ガンメンと戦う姿はメロウリンクほ髣髴とさせられます。

 ライフルとヨーコは切っても切れない存在らしく、ヨーコのフィギュアはは幾つかリリースされていますが、大抵ライフル付きで、 今回の作品も例に漏れず、ライフルを担いでいる姿です。
 この大型ライフルは案外凝った設定で、電磁気によって弾丸を発射するレールガンの一種だったりします。バレルを通過出来るサイズで磁石にくっ付く金属であれば何でも撃ち出す事が出来るらしく、食料調達の際には弓矢用の矢を射たりもしていました。火薬の発火炎分散させて発光を抑制するフラッシュハイダーが取り付けられていたり、マガジンのサイズを考えると、弾薬も使用出来るのかも知れません。

 キットはWHF神戸27で購入した物で、G-DOMEのキットは以前から気になっていましたが、今回始めての購入、製作となりました。
 最近の嘘スケールでは無いのでサイズはライフルを含めると30cmm以上にも及ぶボリュームの有る作品です。表記スケール以上に大きく感じてしまいますが、直前に製作した1/5スケールの愛沢ともみ(I)並べると1/6なのを実感する事が出来ます。

 キット状態は業者抜きらしく、パーティングラインの段差はサイズの割には小さく、気泡も皆無とは言えませんが少ない部類で、大変良好でした。
 両手でライフルを持っている部分の仮組は十分に行う必要は有りますが、パーツ同士の合いは良く、合わせ目ほ作り直す作業は不要でした。
 サイズが大きいのと、パーツ数が35と多く、製作にはそれなりの作業量が必要でした。

 ライフルはマドラックス以来の銃器の製作でしたが、今回はサイズが大きいのも有って、銃口部分とフラッシュハイダーをドリルで開け、スイベル部分の金具を切り飛ばしてコトブキヤのマイナスモールドに交換、スコープの対物レンズ部分にウエーブのH-EYESミニを入れるディテールアップを行いました。
 H-EYESはグリーンとピンクを使いましたが、そのままでは色がチープに思えたので、グリーンにはクリアーブルーを、ピンクにはクリアーレッドを薄く塗って色味を調えました。
 オペレーティングレバーは自作パーツと言う仕様でしたので、1mmの真鍮線とエポキシパテで製作しています。

 髪飾りのパーツには、1mmのプラ丸棒が入っていたのですが、これでは全く使い物にならないので、ホームセンタームサシで購入した、メーカー不明の0.5mm厚、2mm幅のプラスチック素材から自作しました。

 ゲート、パーティングライン処理、気泡埋めの後、シンナー洗浄しています。

 ライフルのディテールアップに使ったパーツはシンナーで溶けてしまう為、取り付けはシンナー洗浄後に行いました。
 シンナー洗浄や、ディテールアップパーツの取り付けの後、ミッチャクロンマルチを噴き付けてから、肌色を塗るパーツははつや消しクリアー、それ以外の部分はホワイトサーフェイサーで下地塗装を行いました。
 彩色は何時も通り、基本的にクレオスのMr.カラーのエアーブラシ塗装で、細かい部分はタミヤのエナメル塗料の筆塗です。

 肌色は愛沢ともみと同じ色ですが、塗り方を少し変えています。気泡は光硬化パテで埋めていますがねその部分には、肌色を塗る前に、キャスト素材に近い色で塗って目立たなくしています。

 目は肌色を塗る前にエアーブラシで塗りました。白目は下地塗装のクリアーでコートされたキャスト素材の色で、白目のシャドーはオリジナル調合の薄い水色。瞳をオリジナル調合の黄色を塗った後、シンナーで薄めたレッドブラウンでシャドーを入れ、肌色と髪の毛の塗装後、エナメル塗料で細かい部分を筆塗りしてから、アクリル塗料のクリアーを筆塗りで塗り重ねて光沢を出す処理をしています。

 髪の毛はキャラクターレッドとマルーンをベースに二色程調合して、塗り重ねています。
 眉毛はかなり出っ張った凸モールドなので、髪の毛の濃い色の方で大まかに塗ってから、エナメル塗料のフラットレッドをフラットブルーで色味を調えた物で仕上げました。

 服の黒い部分はジャーマングレー、赤い部分はキャラクターレッド、ベルトとブーツ、マフラーの白はアクセルS12ホワイトで、マフラーとブーツには薄い水色でシャドーを入れています。ブーツのファスナーの銀色はクロムシルバーの筆塗りです。

 通常のライフルではストックに当る、多分電源部分と思われる、黄色と黒の警戒色の部分は、イエローとスーパーブラック、バレルのピンクのニ本ラインはピングで塗り、黄色と黒のストライブ部分をボークスのクリスタルクリアーをコートしてから、全体を黒鉄色で仕上げました。
 スリングはピンクを塗ってから、スイベル部分を黒鉄色、一部金具をスーパーファインシルバーで塗り、細かい部分はエナメルのクロムシルバーの筆塗りです。

 アニメやイラストで黄色と金色、どちらにも取れ、作例では黄色に塗られている事が多い、髪飾りと手袋の装飾部分は、クリアー塗料分をスーパークリアーに置換したゴールドを塗った後、錆止めとパウダーの定着を兼ねてスーパークリアーでコーティングしています。コーティングに関しては、スリングに使ったスーパーファインシルバーも同じ様に行っています。

 ブラジャー部分とブーツのファイヤーパターン、ベルト部分の鋲等の塗り分けは切り出したマスキングテープによるマスキングで行っています。
 量産品のPVC完成品ならマスキングはPVC素材の弾力を利用して、金属プレートのテンプレートを押し付けるだけで行えるので、こう言った複雑な塗分けも塗装を含めて数分で行えるのですが、PVC程弾力性の無いレジンの場合、金属製のテンプレートを押し当てても綺麗に塗り分けが出来ないので、カッティングシートに貼り付けたマスキングテープをナイフで切っては貼り、切っては貼りの繰り返しとなる為、複雑になればなる程、マスキングラインが長ければ長い程、時間が掛かってしまいます。又、カッティングシートに貼り付けたマスキングテープは切れ味の良い刃物でなければ、マスキングテープが切れずに引っかかったりして綺麗に切れないので、ナイフの刃もかなりの頻度で交換する必要が有ります。
 ベルトの鋲は取り付け角度が一つ一つ微妙に違っていたので、一つ一つマスキングテープで囲んで行きました。ファイヤーパーターンも、一つの曲線に対して、細かく切り出したテープを何枚も使って覆って行くという作業でした。マスキングに要した時間的にはベルトの鋲で一時間半、ブラで一時間、ブーツ片方で45分程度を要しました。
 マスキングゾルを筆塗すれば早いと思われがちですが、塗り分けライン通りにマスキングゾルを塗布するのには、非常に高度な技術が必要とされる上に、マスキングゾルをどんなに上手く塗布しても、マスキングテープの切り出しによるマスキング程綺麗には仕上がりません。マスキングテープを塗分部分に貼って、塗分部分に沿ってナイフで切る方法も有るのですが、マスキングする対象物を傷付ける危険が高いので勧めしません。
 塗装後、マスキングテープを剥がすのにも5分から10分程度掛り、マスキングテープを剥がす前後に塗料を十分に乾かす時間も必要なので、量産完成品に比べると、キット製作の塗り分けには、多くの労力と時間が要求されます。

 マスキングによる塗り分けでは、細かい噴き漏れが起こる事がまま有るのですが、あまりに酷いと塗り直すしか有りませんが、大抵の場合はコンパウンドを塗った爪楊枝で研く事でかなり綺麗に処理出来ます。ここで爪楊枝を使うのは、極力噴き漏れ部分のみ磨く為です。綿棒だとんなに細かい物ほ使っても、噴き漏れた部分の周りの、噴き漏れた部分の下の色まで研き落としてしまいます。
 研磨された部分の不自然な光沢は、研磨していない周りの光沢に応じたクリアーをエアーブラシ塗布する事によって消せます。 又、勢い余って下の塗装まで研き落としてしまった場合は、エアーブラシでリタッチしてやります。

 ベースは何時も通り、ジェル状ニスで仕上げた物です。右足との接合に2mmの真鍮線を使いました。

 ライフルのディテールアップやファイアーパターン、ベルトの鋲等で手間取り、製作にかなりの時間を要してしまいましたが、それに見合うだけの仕上がりにはなったと思います。 




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