キットデータ

 1/6 フェイト・テスタロッサ
 (魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st)

 フルスクラッチビルド

 販売 SB4(イベント限定品)

 パーツ数 11



 久し振りの掲載は自作のフェイトです。

 2015年冬のWFで初売りして、再販向けに製作した物です。

 パソコン上で3Dデータを作り、3Dプリンターで出力した物を仕上げて原型としています。
 冬のWF新作として販売した時は時間の関係からKudo3D Titan1で出力した物を販売しましたが、こちらはformlabs Form1+で出力した物を加工して、レジンキャスト複製した物を完成させた物でです。

 出力用データの製作はZBrushで行いました。



ZBrushで作った3Dモデルの全体像。

 3DCGモデリングを始めた時には、フィギュア造形が全部行えるとしてもずっと後の話だとは思っていて、各部のバランスやポーズを検討できれば程度に思っていたのですが、思っていたよりも科学は進んでいました。
 モデリングソフトは、Blenderメタセコイアを当初使っていましたが、有機的な物を作ろうとしたら大変だったので、思い切ってZBrushを購入しました。
 このフェイトはBLESTAR ZBrush ベーシック を参考に、ZBrushの使い方を勉強しながら作ったので、製作作業時間よりも、ZBrushの使い方を調べている方が長かったと思います。完成した時点でも、ZBrushは判らない事だらけで、それは今もあまり変わっていません。

 出力は前述の通りForm1+で行いました。
 出力物はキャスト用のウレタン樹脂よりも脆く折れ易いものの、切削性はそんなに悪く無かったので、戸惑う事無く、複製まで行えました。
 Form1+を購入した理由は、使えるかどうかとは無関係に所有欲から光造形機が欲しかったのと、業務用機を使った出力サービスに依頼する費用が高価なのと、修正や調整の事を考えると手元に出力機が必要だと考えた為です。日本国内ではブルレーがformlabs製品を正規販売していますが、私は特殊なルートで購入したのと、支払いした時期が今程円安ではなかったのもあり、ブルレーの定価(税込、送料込で53万円)よりはかなり安く購入しています。
 Form1+以外にも、前述のKudo3D Titan1や、XYZプリンティング ノーベル1.0、FSL3D Pegasus Tocuhと3種類の個人向け光造形機を試してみたのですが、コストや性能等は一長一短と言う感じなものの、使い易さはForm1+が群を抜いていました。
 Form1+は、業務用のインクジェット式光造形機機に比べれば出力品質は劣ると思いますが、私が使ってる範囲では、原型製作用としては充分な性能を持ち合わせています。
 空き時間を使ったForm1+での出力代行サービスを受け付けていますので、興味がお有りでしたら、9月11日の日記を参照して下さい。

 ディスプレイ上の3Dモデルは、それを正確に出力した物とでも見え方が違ってしまいますし、3Dモデルをそっくりそのまま出力出来る訳では有りませんので、出力後の手作業は欠かせません。ソフトや機材の購入(一から揃えるとかなりの金額になる)やそれらの扱いの習得を考えると、粘土やパテを使った手原型に比べると決してお手軽とは言えませんが、出力前の検討では大幅な変更であっても材料を必要とせず、切削粉で部屋が汚れたり、材料で手が汚れる事もないので、造形に集中できるのがデジタルの利点だと思います。
 この点はフェイト以降のZBrushでのモデリングの参考にしている、デジタル原型師養成講座と言う本でも説明されています。



デジタル原型師養成講座の宣伝を兼ねた講演の様子。


 製作したキットは、販売予定の在庫の中から無作為に選んだ物を使いました。

 キット製作の手順自体は特別変わった事はなく、ニッパーでバリを落とし、ヤスリ掛けして仮組を行い、ラッカー薄め液で脱脂して、プイラマーとラッカー系のスプレー塗料で下地塗装を行い、ラッカー塗料のエアプラシ塗装で行い、目や口、眉毛を筆塗りして、瞬間接着剤で各部を接着しました。

 ヤスリ掛けに関しては神ヤスを使ってみましたが、ヤスリから出る黒い粉が気泡やパーティング処理の段階では黒ずみの原因になるので使い物になりませんでしたが、気泡とパーティングラインを光硬化パテと、320番の紙やすりで処理した400番からは黒い粉も問題にならず快適に使えました。ヤスリ掛はタミヤの紙ヤスリと神ヤスの併用で800番まで行いました。
 今回始めて出力品を原型に使ったため、ヤスリ掛けが甘く、Form1+出力時の積層跡がキットにも残ってしまっていますが、パーティングライン同様に、紙やすりで研き落とせます。
 常圧での手流し複製なので、気泡はそれなりでしたが、複製時の工夫でパーティングラインの段差を従来よりも抑えられたので、パーティングライン処理は比較的楽でした。
 デジタルの恩恵でダボの作りはしっかりしているので、各部の接合は接着するのであればダボだけでも充分でしたが、仮組の為に各部を1mmの真鍮線での差し込で固定出来る様にしてあります。

 脱脂は何時も通り、缶に入れたラッカー薄め液で行いました。







 洗浄中は塗装中同様に、換気扇で換気しながら、3Mの防毒マスク(吸収缶は別売り )を着用しています。



 下地塗装は缶入りのミッチャクロン をエアーブラシで吹きつけ、前髪とお下げ部分はMr.ホワイトサーフェイサーで、それ以外はMr.スーパークリアの半光沢 で行いました。

 彩色はMr.カラーで行いました。色に関しては水着のフラットブラック以外は、元々調合していた物を使ったので自分でも詳細は良くわかりません。 

 顔の細かい部分はタミヤのエナメル塗料の筆塗りとエアーブラシ塗装です。
 睫の輪郭や、睫、二重瞼、眉毛をブラウンとフラットブラックで筆塗りしてから、Mr.スーパークリアーのつや消し でコートして、マスキングを行い、虹彩部分をクリアーレッドをエアーブラシで塗り、ハイライトをホワイトで描き込みました。

 組立は、両足はアロンアルファゼリー状 で接着しましたが、輸送や補修を考えて、両手やお下げは真鍮線での差し込み、前髪はプリットひっつき虫 での貼り付けです。




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