キットデータ

 1/7 フェイト・T・ハラオウン 真・ソニックフォーム
 (魔法少女リリカルなのはStrikerS)

 フルスクラッチビルド

 販売 SB4(イベント限定品)

 パーツ数 28



 魔法少女リリカルなのはStrikerSより、真・ソニックフォームのフェイト・T・ハラオウンです。
 リリカルなのはの世界では魔道師は戦闘時に防御の為にバリアジャケットと呼ばれる一種の装甲服を着用し、前作で劇中の10年前に当るリリカルなのはA'sで、シグナムに対抗すべく、バリアジャケットの防御力を犠牲にして機動力得たソニックフォームが登場するのですが、真・ソニックフォームはさらにそれを推し進めた発展型で、「装甲が薄い。当れば落ちる」と劇中の敵方に評されていました。
 両腕に握っているのはバルディッシュが剣状に変化して二つに分離した、ライオットブレードです。
 真・ソニックフォームは劇中では最後の方に少しだけしか登場しないのですが、クライマックスの印象強い場面なのと、 通常フォームのバリアジャケットに比べてマントがない分作り易いのもあってか、アマチュア作品ではかなりの数が立体化されていて製作するには出遅れ感が強いのですが、StrikerS版フェイトの中では真・ソニックフォームが一番気に入っていたのと、パワードールのパイロットスーツと似た様な感じで作れるだろうと去年の秋に製作を始めましたが、細かい造形を要する部分が今までよりも随分多く、ここ最近の中では一番時間が掛ってしまいました。その分見栄えする物に仕上がったと思います。



 原型製作

 ポーズは模擬空中戦をイメージして付けて見ましたが、特に見本の様な物はありません。
 体のバランスを設定通りに立体にすると、頭が大きすぎたり、足が短すぎたりしそうだったので、自分なりにアレンジしていますが、細分に関しては、二次元の嘘で線が繋がらない部分を除き、可能な限り設定資料に従って作ってみました。

 造形材料は芯材から仕上げまでの9割近くの作業はウエーブのエポキシパテ軽量タイプで進め、残り1割はロックペイントのポリパテ、クイックパテ120LSで行いました。
 ポリパテとエポキシパテは柔軟性や切削性が異なり、境界部分から素材同士が剥離したり、ヤスリがけすると段差が出来たりする可能性が高く、避けた方が良い組み合わせなのですが、ウエーブの軽量タイプとクイックパテの120LSは切削性がかなり近い為、そう言った問題は全く出ませんでした。
 芯材の作り方はいろいろ有るかと思いますが、両手、両足、両足首は最終的な形よりも随分細い棒状、腰、胴、頭、手首の甲は少し厚めの板状で作りました。ただ、細い棒状は一度に盛り付けられる量がそれ程多く出来ないので、イメージが十分に出来ていたら、手足も板状のもの方が良いかも知れません。
 各部分の芯材が出来たら、芯材に1mmのドリルで穴を空けて同径のアルミや真鍮線で各部分を繋いでボーズを付け、必要に応じてアロンアルファのゼリー状で接着固定して、全体にエポキシパテを盛り付けて造形して行きます。造形の手順としては、エポキシパテを盛り付けては、アートナイフプロの曲線刃と彫刻刀で言う平刀を1mm〜5mmの幅で数種類による切り出しと、荒目の紙やすりでの削り出しを何度も繰り返しで行くだけです。
 最終的な表面仕上げはホームセンターで売られている、ホルツの自動車修理用のプライマーフェイサーのグレータイプとクイックパテ120LSで行っています。

 使用した紙やすりの番手は造形時は180、240、320番、スポンシやすりのFINEとSUPERFIEN、サーフェイサーを使い始めてからの番手は320、400、600番とスポンシヤスリのSUPERFIENとULTRAFINEです。

 手の指は手の甲にライオットブレードの柄の素材にワセリンを塗り、それを手の甲の芯材の上ににエポキシパテで包んで親指以外の4指を大まかに作ってから、バランスを見ながら親指部分を盛り足しで造形して、全体を見ながら調整して最終的なバランス取りをして、指が出来てから、甲冑っぽくなる様なモールドを入れました。

 ライオットブレードは刃の部分を0.3mmのプラ版を切り出しを三枚重ね合わせ、刀で言う鍔の部分はローラーで薄く延ばしてから半硬化させたエポキシパテの積層と切り出し、柄等の丸い部分はプラパイブやブラ棒、アルミパイブ等を組み合わせ、くびれている部分は部材をドリルに差し込み、必要に応じてパテを盛り付けてから、回転させて削り出しました。
 刃の部分はプラ板の他に、ローラーで延ばしたエポキシパテでも作ってみて、単体で見た場合はそこそこ上手く出来たものの、プラ版で作った物に比べで、若干サイズが小さくなってしまったので、ブラ板で作った方をシリコンで型取りして、収縮率の低いファインモールドのFASTCAST F18 で複製した物から二振り分の最終原型を作りました。

 ボーズ的に自立は無理なので、台座部分もパーツとして用意しました。ブーツ部分には踵に1mmの穴があるだけなので、金属線等を使って浮かせる様に展示する事も可能です。



 キット製作

 キット製作は原型製作から複製まで自ら行ったので、パーツ整形、仮組はスムーズに進みましたが、塗装は胴体部分のマスキングが多いのが面倒でした。

 サンプル製作用2体分と販売用1体分をライオットブレードの二次原型に使ったのと同じ、ファインモールドのFASTCAST F18で成形したのですが、成型してから時間がそれ程経っていないから安定していなかったのか、単に溶剤に弱いのか、脱脂の際にラッカー薄め液に付けたら何時もよりもずっと短い時間でキャスト素材が柔らかくなり、脱脂は確実に行えたのですが、シンナーの乾燥までに扱いに気を使いました。
 多分市販の離型剤落としや、ブレーキクリーナーでは問題無いと思うので、今度ブレーキクリーナーを購入した際に試してみたいと思います。

 肌色や髪の毛、瞳といった部分の彩色は前回製作したかぐや姫のフェイトと同じです。

 バリアジャケットの黒い部分はイメージ的にはつや消しなのですが、展示用のショーモデルなので、光沢仕上げにしてみました。
 光沢仕上げのポイントは塗装前の表面処理と、塗料をシンナーで十分に希釈して何度も塗布するのがポイントですが、今回はそんなに手間が掛けられないので、彩色前の下地塗装をホワイトサーフェイサーで行ってからスポンジやすりのULTRAFINEで全体を軽く研く程度で、塗装も通常の濃度でしっかり色を付けた後に、光沢出しに良く薄めた塗料で仕上げるに留めました。
 白いラインはスーパーブラックを塗ってから、隠蔽力の強いフィニッシャーズのファンデーションホワイとで塗りました。ベルト部分は白い部分と一緒にファンデーションホワイとで下塗りしてから、レッドを塗っています。銀色の部分はファインシルバーです。
 ガントレッドやブーツはスーパープラックの上に焼鉄色、金色の部分はゴールドで塗りました。

 ライオットブレードの刃の部分はイエローで多少濃淡を付けて塗装しています。
 柄等の色の濃い部分はスーパーブラックを塗った上に、ボークスの造形村ブランドのプルーパールパウダーをスーパークリアーに混ぜた物を軽く噴き付けました。台座パーツも同色です。
 黄色いレンズ部分はウエーブのH・アイズ2のクリアに入っている、4.5mm径のレンズにクリアーイエローを塗り、平たい接着面にはファインシルバーを塗布しました。ライオットブレード2振り分にはレンズは4つ必要なのですが、H・アイズ2に4.5mm径のレンズは2しか入っていないので、展示した時に見える片側にしか入れませんでした。

 ベースはいつも使っている12.7cm径の円形ベースをアサヒペンのジェル状カラーニスのブラックで仕上げました。




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